福田寺は小田原市飯田岡にある真言宗のお寺です。

福田寺
 

 宗教とは…

 半世紀近く前だと思いますが「宗教とは何か」という書籍が出版され、題名に惹かれて読んだ記憶があります。内容をあまり覚えていないのは、学生の身にとってはちょっと難しかったのかも知れません。しかしその後半世紀に亘り宗教に係わってきた者として、再度読んでみたいと思います。何故ならば未だ宗教とは何か、はっきりと答えられないからかも知ません。否、だれ一人として世界の誰もが納得する答えを出すことは出来ないのではないでしょうか。
この地球上に生まれた全ての人にとって、幸せを与えてくれるのが宗教であると思います。キリスト教もイスラム教も仏教もその他のあらゆる宗教も、この一点に於いては同じでしょう。他にも宗教の要素として、聖なるもの、神秘的なるもの、霊的なるもの、等も有ると思います。つまり目指すところは一緒で、方法論の違いに過ぎないことだと考えられます。
 今、世界を震撼とさせているテロ行為が宗教とはかけ離れているものである事は、誰もが理解していることであります。
しかし、日本においても20年前、このテロ行為が宗教の名の下に行われました。オウム真理教による一連の犯罪事件であります。オウム事件の首謀者たちが、その時点では己の行為を信じて疑わないようマインドコントロールされていたように、中東を拠点に繰り返されているテロ行為の首謀者たちも、己の行為を信じて疑わないようにマインドコントロールされ、誤った行為を繰り返しているのです。
「宗教はアヘンである」とはこのようなところから言われたことと思いますが宗教は決してアヘンではありません。宗教の名の下に自分の考え方や行いを正当化しようとすることがアヘンなのです。このことは最早宗教でも何でも無く、ただただ自分の弱さを宗教に転嫁させているに過ぎません。
宗教とは何か・・本題に戻りましょう。日本の宗教つまりは仏教について考えてみたいと思います。今、仏教界、寺院にとって危機的状況が忍び寄ってきています。それは度々お話しますように、社会構造・家族構成の変化にともなう寺院離れ、檀家減少で、これにともない寺院の維持が出来ないお寺が続々と出てきていることであります。このことは、先祖供養を主に運営してきた仏教界・寺院にとっては当然の帰結であります。
元来、仏教の教えつまりお釈迦様の教えは、先祖供養ではありませんでした。偶像を拝むこともありませんでした。人はどのように生きたらよいのか。つまり人間の生き方を追求するのが仏教の教えであります。真言宗の開祖、お大師様(空海)も人の生き方を教えて下さっています。更にお大師様は人々がこの世で幸せに過ごせることをご自分の願いとしてもおられるのです。真言宗のお寺は、護摩をたいたり、祈願を受けたりして、先祖供養とは別に生きた人の為にお経を唱えることもお大師様の教えとして受け継いでいるのです。中でも福田寺の御本尊であるお薬師さまは現世利益(生きている私達の欲求を叶えてくれる)の最も力強い仏様であります。
我田引水かもしれませんが、お大師様(空海)ほど優れた仏教者は居ないと思います。お大師様の教えを紐解くことが宗教をしる一番の近道のように思います。宗教とは何か?
少しでもお大師様の教えを通じて御理解頂けるように努力したいと思います。(福田寺だより 第39号より)

 


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